あけましておめでとうございます。おかげさまでこのブログも細々と続けて半年くらい経ちました。今年も引き続き研究者の日常というニッチで多くの人にはあまり役に立たない情報を垂れ流していきますので、宜しくお願いします。
新年1発目はなるべくおめでたい話をということで、去年惜しくも面接審査で落ちてしまったJSTの創発的研究支援事業に、今年は幸運にも採択されたという話をさせて頂きます。
これから創発にチャレンジされる方にとって少しでもプラスになれば幸いです。
去年の様子に関してはこちらの記事にまとめましたので、興味のある方はご覧ください。
去年から今年にかけての変更点
選考スケジュール
選考スケジュールが昨年よりも1ヶ月以上前倒しになりましたが、このスケジュール通りに選考は進みました。
研究提案の募集開始 | 2021年4月1日(木) |
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研究提案の受付締切 (府省共通研究開発管理システム[e-Rad]による受付期限日時) | 2021年6月2日(水) 午前12:00(正午) |
書類選考期間 | 6月上旬~9月中旬 |
面接対象者への通知 | 8月下旬~10月上旬 |
面接選考期間 | 下記面接日程参照 |
選定課題の通知・発表 | 11月下旬以降順次通知・発表 |
前倒しになった理由としては、去年は諸々のスケジュールが後ろ倒しになり、結果的に1月から研究をスタートしたい研究者にお金を配ることが時間的に厳しかったため、余裕を持たせたかったのだと思います。
書類選考通過の通知は10月上旬、面接選考通過の通知は11月中旬(おそらく全採択者に一斉通知)に来て、採択者の公表(プレスリリース)は11月26日にありました。
研究開始時期に関しては、書類選考通過時に聞かれるようになりました(1月または4月スタート)。
もちろん1月でも4月でも、もらえる研究費に差はありません。
応募するパネルの選択
去年はパネル(研究領域)の選択はできず、書類選考の際にJST側で該当するパネルに振り分けられるシステムでしたが、今年は自分で適していると思うパネルを選択できるようになりました。
これにより、自分の研究提案がどの創発POやアドバイザーに刺さりそうか逆算して応募することができるようになりました。
また1年目に不採択だった場合に、2年目は違うパネルで挑戦することもできます。
下記の通り、面接日程は各パネルによって異なります。
- 阿部パネル 10月15日・16日・17日
- 天谷パネル 10月21日・22日・24日・26日
- 石塚パネル 10月30日・31日・11月1日
- 伊丹パネル 10月19日・20日・26日・28日・29日
- 井村パネル 10月8日・9日・10日・11日
- 川村パネル 10月23日・24日・25日
- 北川パネル 10月25日・27日・31日・11月1日・2日・3日
- 合田パネル 10月31日・11月1日・11月2日
- 塩見パネル 10月26日・27日・28日・29日
- 田中パネル 11月3日・4日・5日・6日
- 堀パネル 10月23日・24日
- 水島パネル 10月4日・5日・6日・7日
- 八木パネル 10月26日・27日・28日
- 吉田パネル 10月16日・17日
また自分調べの情報にはなりますが、面接審査の雰囲気は各パネルごとに違うようです。可能であれば同じパネルの過去の採択者から情報を貰えると心強いです。
2度目の創発挑戦
書類に関して
前回の記事でも書いた通り、去年は面接で不採択となりました。不採択理由は研究計画の不十分さが主でした。
パネルの変更をするかはとても悩みましたが、去年面接まで呼ばれているので、研究の方向性自体は認めてもらえていると信じて、パネルは変えずに挑みました。
なので不採択コメントを踏まえ、今年は研究方針の大筋は変えず、指摘された事項を回収する形で書類を修正しました。書類自体はそこまで大きな変更はなく、予備実験のデータをいくつか加え、計画の実現可能性の高さを前面に押し出しました。
読みやすい申請書を書く上でこちらの本はお勧めです。
面接に関して
面接にいた審査員の方達は基本的に去年と同様でした。発表10分、質疑8分のスタイルも同様です。
プレゼンの内容に関しては、去年と審査員は一緒だと見込んで、背景・目的はあっさりと、研究計画の内容を重点的に話して、現状見せることのできる進捗をデモ動画等で見せました。
質疑応答に関しては、去年の発表を覚えていただいている審査員の方が多く、去年よりだいぶブラッシュアップされているというポジティブなコメントが最初にあった後で、研究内容に関する細かい質問が寄せられました。去年と同様の質問も来ましたが、対策済だったので事なきを得ました。
プレゼン資料の作成や話す内容の精査において下記の本はとても役に立ってます。
面接の総評
採択が決まった後に、採択者に対しても面接時のコメント(優れている点、改善すべき点、総合所見)が送られ、それをもとに研究計画を微修正する必要があります。
総合所見としては、社会課題に対する研究意義の直結性が明瞭であることと、昨年の申請時に比べてフィージビリティが高くなっているところが評価されたようです。
ただ一方で、既存研究に対して学術的革新性が低いので創発で支援すべき研究ではないのではないかという厳しいコメントもありました(なんで通ったのかは分かりません…笑)
とりあえず2回挑戦してみて(+他の採択者の傾向をみて)思ったこととしては、
- 社会的意義が大きいことの主張
- ある程度無謀な研究課題の設定
- 創出する技術自体の革新性
- 研究計画の緻密性
- 予備実験データの充足
をある程度網羅できていないといけない気がします(自分は3はあまり達成できていませんでしたが、4・5に力入れたのでギリギリOKだったと推測してます)。
何はともあれ准教授・教授クラスの研究者が応募される創発において、最年少クラスの弱小任期付き研究者を採択して頂き大変ありがたく思います。
引き続き、創発のブランド向上に努めるべく、今後どのような体制で支援を受けられるのかレポートしていきたいと思います。
もし創発の書類申請または面接に関してご質問、お役に立てること等ありましたら、よろしければ下記リンクをご参照下さい。
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