【採択率40%超!?】科研費 若手研究への申請

研究TIPS

若手研究者のキャリア形成において、いつ・どの研究費を取ってきたのかはとても重要です。科研費 若手研究は、どの研究者も通る登竜門であり、少額ながらも非常に高い採択率の科研費となります。先日、私もありがたいことに若手研究に採択して頂きましたので、僭越ながら私の実践したTIPSを紹介します。今後、若手研究への申請を行う方に少しでも参考になれば幸いです。

また私がこれまでに獲得してきた研究費申請のTIPS紹介は下記の通りです。

科研費 研究活動スタート支援

JST 創発的研究支援事業

学振 海外特別研究員

若手研究の公募要項まとめ・採択率

公募スケジュール

  • 公募開始時期:令和3年7月1日
  • 公募締切時期:令和3年10月6日
  • 内定時期:令和4年2月28日

公募対象:博士の学位を取得後8年未満の研究者
応募総額:500万円以下
研究期間:2~5年間

受給回数制限:2回

科研費はこれまで9月1日〜11月初旬までが公募期間で、翌年4月1日に内定(採否)発表がありましたが、今年度の公募から全体的に1ヶ月早まりました。

内定発表日は2月末日とされておりましたが、結果、本当に末日でした(笑)

ソワソワしながらいつ発表されるのかを待っておりましたが、おそらく来年度以降も2月28日に発表されるのではないでしょうか。

採択率(2021年度)

学振がこちらに項目別に採択率等を公開しております。

科研費データ | 科学研究費助成事業|日本学術振興会

令和3(2021)年度の採択率は40.2%でした。

13000人超が応募して、5000人超が採択されてます(こんなにいるんだ。。。)

若手が安定して研究できるように研究期間を最大4年から最大5年までできるよう延長したのですが、採択率を見ると5年で申請している群の採択率が10%も低いですね(笑)

なので特段事情がなければ、従来と同様、2〜4年の計画で申請する方が良さそうです。

若手研究の重複申請制限

若手研究で応募可能な予算は総額500万円です。ただ実際に貰える額は7割程度(MAX350万円程度)と言われています。

3年間で350万円だとすると、大体1年に110万円ほどになりますね。

研究分野にもよりますが、工学分野で100万/年のみでは身の回りのものを揃えたら無くなってしまいますね…笑

大きなラボに所属してて、ボスが大きい予算(基盤S・A等)を持っているのであれば、これでも十分かもしれません。

自分の場合、所属先からもらえる研究費は期待できず、自分のお金は自分で確保しなければならないので若手研究だけだとなかなか厳しいです。

一方で、若手研究に採択されると科研費申請の重複制限がかかり、「新学術領域研究」のみにしか代表者としての応募ができなくなります(ほぼ可能性0です)。

なので若手研究者で研究費を確保する術は大きく以下の3つです。

  1. 他の研究者の科研費の研究分担者に入れてもらう(分担は制限一切なし)
  2. 民間企業の助成金を申請する
  3. 学振以外の若手対象の公的研究費を申請する

1は環境によりけりですが、面倒を見てくれるボスや共同研究者との繋がりは大事にしておく必要がありますね。どうしても個人でできる研究は限界がありますので、人的ネットワークの形成は重要ですね。

2は博打要素は大きいですが、単年100万円規模の助成金は探すと結構あります。ただ採択率は往々にして低いので、とりあえず当たったらラッキーくらいの感覚で出し続けることが大事ですね(私は今年度2連敗で終わりました…笑)

3は科研費以外の公的研究費(JST、NEDO、AMEDなど)で、少額なものから数千万/年まで幅広くあります。自分の知っている若手対象の研究費を下記にまとめます。

書き方TIPS

若手研究は研究活動スタート(研スタ)と若干書く分量は異なりますが、書き方は概ね一緒です。

【若手研究の場合】
・研究目的・方法:4ページ
 (1) 本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」
 (2) 本研究の目的および学術的独自性と創造性
 (3) 本研究の着想に至った経緯や、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけ
 (4) 本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか
 (5) 本研究の目的を達成するための準備状況
・応募者の研究遂行能力及び研究環境:2ページ
 (1) これまでの研究活動
 (2) 研究環境(研究遂行に必要な研究施設・設備・研究 資料等を含む)
※いずれも分量配分は自由
・人権の保護及び法令等の遵守への対応:1ページ
合計:7ページ

【研スタの場合】
・研究目的・方法:2ページ
 (1) 本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」
 (2) 本研究の目的および学術的独自性と創造性
 (3) 本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか
・本研究の着想に至った経緯など:1ページ
 (1) 本研究の着想に至った経緯と準備状況
 (2) 関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけ
・応募者の研究遂行能力及び研究環境:2ページ
 (1) これまでの研究活動
 (2) 研究環境(研究遂行に必要な研究施設・設備・研究資料等を含む)
・人権の保護及び法令等の遵守への対応:1ページ
合計:6ページ

研スタは「研究目的・方法(2ページ)」と「本研究の着想に至った経緯(1ページ)」は分かれていますが、若手研究は研究目的・方法にまとめられて4ページになります。書く内容の配分は自分で決められます。

私の事例は下記の通りです。

・研究目的、研究方法
(0) 概要:1/3ページ
(1) 本研究の学術的背景、研究課題の核心をなす学術的「問い」:7/6ページ(図含む)
(2) 本研究の目的および学術的独自性と創造性:1/2ページ

(3) 本研究の着想に至った経緯や、関連する国内外の研究動向と本研究の位置づけ:1/2ページ

(4) 本研究で何をどのように、どこまで明らかにしようとするのか:7/6ページ(図含む)
(5) 本研究の目的を達成するための準備状況:1/3ページ(図含む)

応募者の研究遂行能力及び研究環境

(1) これまでの研究活動:7/4ページ
(2) 研究環境:1/4ページ

基本的には研スタ申請時に留意した点を若手研究でも留意しました。

幾分かスペースに余裕があるので、私は「研究目的・方法」内で画像を4枚(今回取り組む研究課題の概要、研究方針のサマリー、年次計画表、予備実験結果)使用しました。

常套手段ではありますが、申請書を作成する際には図を見ただけで何をやりたい研究なのか理解してもらえるように意識しております。

あとは以前お守り代わりに買った「科研費獲得の方法とコツ」に書かれていることを忠実に守り執筆を進めました。まあ正直ネットで調べれば転がっている情報多めですが、体系的にまとまっていて見返しやすいのは書籍のメリットだと思います。

またこれは私のみの実体験なので確証はありませんが、提案する研究内容に関して、これまでの研究との関連性はあまりなくても採択されるかもしれません

今回、私は博士課程やポスドク時代にやっていた研究とは大きく異なる研究トピックで申請したため、直接関連する業績は一切ありませんでしたが、ありがたいことに採択されました。若手研究ということもあり、ポテンシャル採用(つまり取り組む研究課題の重要性を重視している)なのかもしれません。

大型予算だと提案内容に係る研究実績がある程度貯まってないと採択されるのは難しいと思いますが、若手研究は採択率も高いので、既存の研究の延長ではなく、新しい研究トピックに挑戦するための足掛かりとして使うのが良いかもしれませんね!

もしもっと詳細が知りたい方は下記のリンクをご覧頂けますと幸いです。

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以上、これから若手研究に応募する人の役に少しでも立てれば幸いです。


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