創発的研究支援事業の面接で落ちた話

研究TIPS

自分は昨年度JSTの募集する「創発的研究支援事業」にチャレンジしましたが、ありがたいことに書類は通過したものの、面接で不採択となってしまいました。今年度の面接はこれからだと思いますので、面接に進んだ方のために昨年度の面接の様子や私自身の反省点を記しておきたいと思います。なかなか情報が少ないと思いますので、少しでもお役に立てれば幸いです。

※2回目の応募にてありがたいことに採択されました!詳細は下記のリンクよりご覧頂けます。

書類選考通過〜面接〜結果通知までのスケジュール

昨年度(令和2年度)は7月31日に書類申請の締め切りが設定されておりました。ちなみに今年度(令和3年度)は6月2日なので、1ヶ月以上の前倒しで設定されています。

これは昨年度コロナの影響で全体的にスケジュールが後ろ倒しになり、当初予定していた1月からの創発研究の開始タイミングに間に合わせることができなかったからかなと推測します。

以下のスケジュールはあくまで昨年度のものなので、今年度は1ヶ月〜1.5ヶ月くらい前倒しに設定されると思います。

書類審査通過・面接の案内通知:12/6

面接資料事前提出:1/5(1/8まで差し替え可)

面接日程:1/15

結果通知:2/2

審査コメント通知:2/27

書類審査に関しては、通過者のみに通知がきました。パネルごとに通知日や面接日程は違うようです。私のパネルは一番遅いグループだったようです。

年末年始を挟んだとこともあり、書類審査通過後から面接までは1ヶ月以上時間がありました。

面接通過の結果連絡も、通過者のみに通達されます。昨年度は1/31までに通達があったようで、落ちた人は採択課題のプレスリリースが公開されたタイミングで自分が落ちたことがわかりました(笑)

だいたい5ちゃんねるを見ていると、通過したという報告が上がってくるので、ああ自分はダメだったんだということは先駆けて分かりますが(笑)

そして落ちたことが分かってから1ヶ月後くらいに審査コメントが送られてきました。

面接に関して

発表形式:Zoom

面接時間:25分(発表:10分 質疑応答:8分 他入れ替え時間等)

発表時間は10分しかないのであまり細かいところまで話せません。質疑応答は8分と設定されておりましたが、私の場合は5分ほど超過してました。

質疑応答の雰囲気は比較的和やかです。学会発表みたいな感じで発表内容に関する質問がメインでした。

私の場合は「創発的な研究とは何か?」みたいな哲学チックな質問は来ませんでした。

軽くこれまでの研究を1分くらい話しましたが、基本的には創発でやる予定の研究内容に関する質問です。多かったのは研究計画の妥当性に関する妥当性でした。

「なぜその手法なのか」「似たようなアプローチはすでにやられているが、何が違うのか」「何年目まで何を明らかにする予定なのか、それは実現可能なのか」「〇〇の開発に関して、どこかと連携する当てはあるのか」「最終的にできる成果は〇〇に代替されるのではないか」などなど、王道ではあるけど割と細かいところまで聞かれます。

答えに詰まったのが「この分野は割と長い間やられてきている割には、近年目新しい進歩が見られないけど、大局的にみて何が課題だと思いますか」という、少し抽象的だけど核心をつくような質問もありました。

不採択理由・反省点

簡潔ですが、落ちた人に対して審査コメントが送られてきます。

評価された点
・設定した課題の難易度
・基礎研究に留まらず、実応用を見据えている点

不採択理由
・設定した課題に対する研究計画が不十分
・実応用のために生じうる課題に対する解決策が不明確

ざっくりとしておりますが、このような評価でした。

創発としての課題設定はクリアしているものの、肝心な研究計画の説明が不十分だったという結論ですね(笑)

正直、研究計画の詰めの甘さは感じておりました。

昨年度の創発応募時、自分は海外でポスドクやっており、次年度に日本の研究機関に所属が移るタイミングでした。(※創発は海外からの応募も可能です)

ですので、創発の提案内容は次の所属で独立した際に「こういうことやりたいなあ」というぼんやりとした状態で申請書を書かざるを得なかったです。

また面接時に申請内容に関する直接的な予備検討や実験データを十分に用意できなかったことが反省点としてあります。

なので、面接では提案する研究計画の遂行実現可能性をサポートする予備データや準備状況、デモ動画等を含めたプレゼンをすることは非常に大事になるのではないでしょうか。

創発には落ちてしまいましたが、幸い今年度は科研費研究活動スタート支援には採択されており、何とかお金はありますので、これを元手に大きい研究費に繋がる研究を実直に進めたいと思います。

もしもっと詳しく話を聞きたい方は下記のリンクをご覧頂けますと幸いです。

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また研究活動スタート支援の申請に関してはこちらの記事にまとめましたので、ご興味のある方はよかったらご覧ください。

これから創発の面接に進む方の役に少しでも立てれば幸いです。Good Luck!

コメント

  1. ココナラ利用者 より:

    ココナラでアドバイスを頂いた創発が採択されました。親切なご指導ありがとうございました!

    • masuke より:

      おめでとうございます!!少しでもお役に立てたのであれば良かったです。
      実は私も今回採択されました笑
      お互いがんばりましょう!!

  2. […] 去年の様子に関してはこちらの記事にまとめましたので、興味のある方はご覧ください。 […]

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