こんにちは。絶対上がるだろうと思ってたくさん買ったテスラの株価が全然上がらなくて困ってます。助けてください。
今日は博士課程の学生の就活について、自分の体験談を元に、紹介させていただきます。専門分野が違うと文化も違うかもしれないのであくまで備忘録として。
プロフィールにもありますが、私の経歴は、国内大学で博士修了後、アメリカの大学でポスドクを経て、現在は国の研究所で研究職員として働いております。
ただ博士課程3年の時には進路をとても悩んでおり、企業の就活をしてました。ありがたいことに某大手企業の研究職の内定を複数いただくことができました。
結果的にアメリカでポスドクをするという選択を取りましたが、その過程で得られた経験はとても貴重でした。博士ならではの就活の進め方、自分の魅せ方など、専門分野に限られない共通事項を紹介したいと思います。今回はその導入記事を書かせていただきます。
これから就職活動を始める学生さんの情報収集や、企業の博士採用の活性化に少しでも貢献できたら幸いです。
はじめに
まずはじめに考えるべきことは、
- アカデミアに残るか
- 企業に就職するか
- 起業するか
です。当然かもしれませんが、これが一番皆さんの判断を苦しめるのではないでしょうか。悲しい現実ですが、アカデミックの世界に残って研究を続けたくてもポストが少なく、どんなに業績があってもなかなか安定したポジションにつけません。アカデミアに残るという選択をとった自分ですが、正直、人生設計は難しくなります。火のないところに煙は立たず、世に蔓延るネガティブな情報はあたらからずとも遠からずなことが多いです。起業するかどうかで悩まれている場合にはちょっと自分には経験がないのでコメントは差し控えさせていただきます。
アカデミアに残るか、企業に就職するか、決める指標はたくさんあると思いますが、私の場合は以下の点を考慮しました。
- お給料及び諸々の保障
- ワークライフバランス
- 仕事内容
お給料に関して
給料や保障を第一に考えるのであれば、間違いなく企業に行ったほうが良いと思います。博士の時は考えられませんでしたが、働いた分だけお金がもらえます。アカデミアは基本裁量労働ですし、土日関係なく仕事はあります。むしろアカデミアでは立場が上がるほど、平日は会議や授業、事務作業に追われるので、土日に実験したり論文を書かざるを得なくなります。
そして給料の上がり幅も限られます。ロールモデルとしては20代後半に任期付き助教で500万、30代中盤でテニュアトラック助教・講師で600-700万、40代で准教授になって700-800万、50代で教授になって900万-というところでしょうか。もちろん都内と地方、国立と私立、大学のグレードで給与体系は違いますので、あくまで参考値です。コンサルにみたいに30歳で1000万!みたいなことはまずないかと笑
企業でもらえる給与は、勤め先にもよりますが、大学教員よりは100万円くらい多い印象です。周りにいる博士卒で大手のメーカー研究職に就いた人の話を聞くと、大体初任給で600-700万円くらいでしょうか。AIなどの今ホットなIT分野だと1000万円を超える話をちょくちょく耳にします。ただ企業全体的に言えることとして、博士の学位を持っていることへのインセンティブが給与に反映されているは企業は少ないと思います。
博士卒で就職した場合の28歳の初任給と、修士卒で就職した28歳の給与はほぼ一緒だと聞きます(日本の企業のよくないところですね…)。
ワークライフバランスに関して
ワークライフバランスに関しては人それぞれかもしれません。アカデミアは時間には緩いので、授業や会議がない場合には、いつ何時に働こうが自由です。要領よく授業や事務作業をこなせて、業績もバンバン出せる人は、もしかしたら時間的な余裕は企業勤めの人よりあるかもしれないです。共働きでお子さんがいる方は保育園の送り迎えは助教のお父さんがやってるなんていう話もよく聞きます。
逆に言えばアカデミアの場合、仕事が溜まっていくと土日もやらなきゃいけないです。大学主催のイベントに出るなど公式な仕事の場合以外は、休日手当等は特に出ないです。企業の場合、土日は基本休めます。というか仕事はできません。セキュリティの関係上、家に仕事を持ち帰れないこと多いらしく、こっそり土日に仕事できないらしいです(このへんは最近コロナで変わってきているのかもしれませんが)。その代わり、平日は決まった時間に満員電車に耐え忍びながら出社しなければなりません。当たり前ですが笑
仕事内容に関して
自分のイメージでは、0→1にするのが大学の研究、1→100にするのが企業の研究なのかなと思ってます。
企業での研究スタイルをイメージするにはこちらの記事(クリプトバイオさん)がとても参考になると思います。記事にも書かれておりますが、企業だと必ずしも自分のやりたい研究ができるわけではないというところがあります。そして短期的な分かりやすい成果を求められがちです。当たり前ですが、企業の研究所は、将来的に企業の製品になることを前提としています。すぐに利益にならない研究開発に投資をする分、将来的に採算が取れるかどうかを判断されます。売れないと判断された場合にはチームは解体され、違うチームに合併されることは日常茶飯事だそうです。
知り合いに、ロボットの研究開発をやっていて、採算が取れずに撤退し、その方はカメラの部署に回されるということもありました。ですので会社の都合で研究テーマを変える(場合によっては研究の部署から開発の部署に回される)ことを覚悟して入らなければいけません。ただそれでもそれを上回るメリットが企業にはあると思います!(お金とかお金とかお金ですが笑)
アカデミアの仕事内容は、博士学生であればなんとなくわかるかと思います。ポスドクと教員で若干違いますが、博士学生とは違い、自分で研究テーマを立ち上げ、研究費を外部からとってきて、学生と一緒に実験し、論文をかく。教員の場合、大学の事務仕事や講義などの教務が加わってきます。分野によって研究費や論文の通りやすさのばらつきはあるかと思いますが、基本的に自分のやりたいことを研究できるのがアカデミアのメリットです。自分のやりたいことができるので、仕事のストレスは少ないのではないでしょうか。良くも悪くも全て自己責任の世界です。自分で研究費を取ってこれなければ実験できないですし、論文も書けず、また研究費が取れない悪循環に陥ります。。。しかし、何か革新的な成果を出したとき、それは研究者個人の成果として世に知れ渡ります!これは企業の研究職にはない特権じゃないでしょうか。生涯をかけて何か発見した時、その功績は死んだ後にも語り継がれます。
自分の進路の決め方
最初に書いた通り、企業に行こうと思ってました。そんなにアカデミアに固執していたわけでもなく、厳しい世界だということも知っていましたし、そこまでたくさん業績があるわけでもなかったので。
ただ、内定を頂いた企業で、やりたいことができないことが自分に取っては決め手でした。医療×ロボットという研究の軸をズラすことは自分にはできず、この分野を深めたいという思いから、その研究の最先端を経験したく、海外で研究をするという選択を取りました。この辺はまた別の記事で紹介させてください。
進路に関して、さまざまな判断基準があるかと思います。自分の場合はやりたいことを重視して決めましたが、もしやりたい研究テーマが企業でできる内容なのであれば二つ返事で企業のオファーを受けました。今でもその思いは変わりません。
自分の結論としては、「生涯かけてこの研究をしたい!けど企業ではできない!」という場合はアカデミアをお勧めします。「研究テーマに固執はしないけど研究続けたい!」という場合は企業が良いのかなと思います。
次の記事では、アカデミアか企業かを決めた上で、就職活動を進めるにあたって具体的に何をしたらいいかを紹介しようと思います!
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