イーロンマスクがTwitterで仮想通貨に関して適当な発言を繰り返してるのでテスラ株への信頼が揺らいでるますけです。
正直テスラ株買い過ぎて白目剥いてます。とりあえずインフレが上がってる今は金・コモディティ株が良いそうなので、ハイテク株からある程度移そうかと思います。
今日は研究留学に関して、少し書かせて頂こうかと思います。博士課程の間や博士取得後にポスドクで海外に留学することを検討されている方向けの内容です。留学したい大学・研究室があるけど人脈・コネがないために躊躇している方がいらっしゃれば参考にしていただければと思います。私自身、博士の時の指導教員に特に人脈があった訳ではなく、研究室自体の知名度はありませんでしたが、アメリカのトップスクールの研究室に留学できました。自分や周り方達の経験をもとに、留学先に受け入れてもらうためのTIPSを紹介します。
もしPh. Dを海外で取ろうと考えている方は下記の記事をご覧いただくと参考になるかと思います。
事前準備
留学先の研究室の選定
研究留学をする前に、まずは行こうと思っている研究室で、何を達成したいかもう一度確認しましょう。博士課程中の短期留学(半年〜1年程度)とポスドクの中長期留学(2〜5年程度)で違うと思います。
博士課程の短期留学の場合
- 博士論文研究の一部の実施
- その研究室特有の技術習得
- 英語のトレーニング
- 海外でのネットワーク形成
ポスドクの中長期留学の場合
- 博士論文研究の更なる展開
- 専門分野の裾野を広げる
- 海外就職の足掛かり
- 帰国を前提としたトレーニング
など人によって色々な目的があると思います。
博士課程中に博論研究の一部を留学先で実施する場合、そのために必要な実験装置があるか確認する必要があります。短期留学の場合、環境に慣れてから実際に研究を実施するまでに時間がかかりますので、その研究室にある既存の研究環境で実施できることが望ましいです。
アメリカの企業や大学の就職の足掛かりとしてポスドクでいく場合、その研究室のボスはその後ビザ取得のためのサポートをこれまでにやってきた実績があるか知っておく必要があります。
今一度、何のために海外留学するのか、目的をしっかり定めましょう。
CVの用意
CV(curriculum vitae)を必ず用意しましょう。日本語で言うと履歴書ですね。
海外の先生とコミュニケーションを取るとき、まずCVを送らないと話が始まりません。時々日本人の方でまずはメールで挨拶してCV送ってもいいか?という確認を取られる方がいらっしゃいますが、そのような配慮は不要かと思います。
CVの書き方の決まりはありませんですが、とりあえず下記のことが含まれていれば問題ないです。
- 基本プロフィール(名前・連絡先など)
- 学歴
- ポジションに関連する経験
- 出版リスト
- 学会発表
- 受賞歴
- 持っている専門スキル(プログラミング言語等)
- 推薦人(必要に応じて)
少し採用側の仕事のお手伝いをさせてもらっていたのですが、基本的に受け入れる側の知りたいことは業績、専門性のマッチング、やりたい研究内容です。時々すっごいデザインの凝ったCVが送られてきますが、あまり必要ありません(笑)凝っていようが凝っていなかろうが一通り目は通します。
最低限の英語力
博士課程の学生さんで短期留学を考えている場合、もしかしたら英語力に自信がない方もいらっしゃるかと思います。国際会議で発表した経験があるのであれば心配ご無用です。私自身、当時TOEIC550点くらいでしたがアメリカのトップスクールに受け入れてもらいました(笑)そして特筆した業績もありませんでした。査読あり国際会議1本くらいです。
- 自分の研究を英語で説明できる(質疑応答は厳しい)
- ゆっくり喋ってくれれば何となく相手の言っていることが理解できる
- 論文は読める
- 相槌と分からない時の質問のフレーズはわかる
当時の自分はこんな感じでした。ただ受け入れが決まってから留学するまでの間、滞在中は猛勉強しました。この話はまた別記事にて。
留学費用の用意の有無
博士課程で留学する場合は、留学費用は自分で用意する必要があります。時々行きたい先の研究室が夏期インターン生としてお給料を出してくれますが、割とレアケースです。トビタテJapanや学内の奨学金制度を利用する必要がありますが、昨今留学行きたい!っていう人は少ないので割と取りやすいのではないでしょうか。
ポスドクの場合、自分でお金を持っているか否かは大きいです。海外学振などを持っている場合はとても有利です。博士にしろポスドクにしろ、自分でお金を持っていると採用側としてはノーリスクで戦力を雇えるので来ても良いよーってなります。もし研究室のお金で雇ってもらう場合は、採用に慎重になります。アメリカの場合、ポスドク1人雇うのに福利厚生含め700-800万円くらい負担するので、ちゃんと戦力になる人を雇いたいってなります。
国内で応募できる海外渡航助成に関して、知っているものを下記にまとめます。
- 海外学振
- トビタテJapan
- 村田海外留学奨学会
- 丸文財団
- 山田科学振興財団
- 中谷医工計測技術振興財団
- 第一三共財団
- 持田財団
- アステラス財団
- 上原財団
- 早石修記念
- 東洋紡バイオテクノロジー
- 内藤財団
- 国際医学研究振興財団
- 中冨財団
- 武田財団
連絡の取り方
事前準備が終わったら、いきたい研究室の先生にメールを送りましょう。
その際にいきなり受け入れてください!って送るのは唐突ですので、
- 簡潔な自己紹介
- 現在留学を考えている旨
- その研究室で何をしたいのか(興味を持ったのか)の簡潔な概要
- 時間がある時に話す時間をもらえないか打診
- CV・留学中の研究計画概要資料(←あると好印象!)を添付
を含めた内容のメールを送りましょう。今はコロナなので難しいかもしれませんが、やはり直接会いに行くのは大事です。コネがない分、熱意と誠意が大事になってきます。
自分の場合、コネもなければ業績もなく英語も全然喋れなかったので、熱意をゴリ押しました。
具体的には、
- 学会帰りに研究室への直接訪問の打診
- 研究室が出してる論文のサーベイ・研究の方向性の事前分析を踏まえた留学中の研究テーマ案の作成
- フォローアップのメール
をしました。
フォローアップのメールは大事です。最初の2回は無視されました、3回目で返ってきました(笑)有名なラボの教授だと忙しくってメールが埋もれてしまいますので、返信がこないのは悪気があるわけではないはずです。参考までに当時送ったメールの一部を紹介します。拙い英語ですが、まあ伝わればオッケーです(笑)
Title: Inquiry about visiting scholars
Dear Prof. XXX
This is NAME who is a Ph.D. student from XXX university.
I’m writing to you regarding a short-term visiting scholar. I’m now finding a visiting scholar’s position to train my expertise.I am very interested in a number of your ongoing research projects because —-.
Especially, XXX project is impressive for me since —-.If you don’t mind, I would like to talk to you above in the video meeting when you have time. Also, I’m thinking of visiting your laboratory after the international conference XXX. I would like to meet and discuss this with you in person if possible.
As I attached my CV and research plan in your laboratory (if accepted), please confirm it when you have time.
Sincerely,
(当時送ったメールのほぼ原文)
NAME
面接(ミーティング)
めでたくメールが返ってきて、一回話そうとなりました。
最初はビデオ会議の予定だったのですが、ラボに訪問できるのであれば対面で話そうとなりました。その日に研究室の定例MTGあるから、せっかくならそこでラボのみんなに30−40分話してくれとなりました(笑)
実はその前に参加してた国際会議は人生初の国際会議で、まさかその直後に、アメリカのトップスクールで大々的に話すことになるとは思ってなかったので、当時は本当に緊張しました。ちなみにその研究グループは大きくて、ビッグボスの下に准教授が2人、ポスドクが何人かいるというラボの構成でした。当日の流れは以下の通りです。
- コンタクトを取ったビッグボスと軽く挨拶
- ラボMTGで発表・質疑応答
- ビッグボスの部屋に行き、研究室全体の概要の説明を受ける
- ラボツアー
- 准教授の部屋に行き、現在走っている研究の詳細の説明を受ける
- ポスドクや博士学生と少し雑談
- ビッグボスの部屋に戻り、具体的にどういうことをしたいか議論
超Broken Englishでしたけど、伝わらない時は開き直って何度もリピートすれば、こちらの意図は伝わりました。意思疎通に時間はかかりましたが、こちらが真剣に色々と考えて準備してきているという誠意を相手は無下にはしません。
幸い事前に調べた研究室の方向性は的を得ており、割と現実的な計画を提示できたためか、ぜひ来て欲しいと言ってくれました。この時は本当に本当に嬉しかったです。
まあ今思うと、お金こっち持ちなので向こうにしてみれば人間性さえ問題なければ断る理由はあまりありません(笑)
ただこういう弾丸突撃みたいな経験は自信につながります。
この例は博士課程中の短期留学ですが、ポスドクも基本的には一緒の流れです。
まとめ
- 留学費用はこちらで用意できればハードルは低い
- メールを無視されてもめげない
- 熱意と誠意が大事
博士課程中の研究留学は自分の人生に大きな影響を与えてくれました。またポスドクを海外でするのは金銭的にもキャリア的にもメリットだと思います(良ければこちらの記事も参考に)。
これから研究留学を考えている方の少しでもお役に立てれば幸いです。Good Luck!
コメント
[…] 以前の記事で海外の大学への就職のアプローチに関して紹介させていただきました。 […]
[…] 中でアメリカに短期留学することになったからです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。 […]
[…] 以前の記事で海外の大学への就職のアプローチ・海外学振の書き方に関して紹介させていただきました。 […]