副業以外でアカデミア研究者がお金を稼ぐ方法

研究生活

今週もお疲れ様でした。
この数日アメリカのインフレに伴いハイテク株全般が下がってゲロ吐きながら生きてるますけです。

アカデミア研究者の頭を抱える悩みの一つ、それはお金です。
研究費はもちろんのこと、日々のお給料も決して高給ではありません。その点、企業の研究職は研究費も給料も潤沢でとてもとても羨ましいです。

企業の研究職になるためのTIPS

特にポスドクは30歳前後にもかかわらず、学部の新卒と同じくらいなんじゃないかっていう額。今日はアカデミアで生きる研究者が給料以外の方法でどうやってお金を稼げるか、ご紹介させて頂こうと思います。

ちなみに本記事は副業(投資やアフィリエイト等)の紹介ではありません(笑)

ポスドクのお給料事情

博士号をとって晴れて1人前の研究者として働き始められるようになった矢先に立ちはだかる、若手研究者の待遇の問題。
アカデミアに残るという決断をした以上、明白な問題ですが、もうちょい高待遇にしてくれないと誰もアカデミアに残らなくなってしまいます。

ポスドクのお給料の貰い方は主に二通りあります。

  • 所属する研究室の教授の研究費で雇ってもらう
  • 学振PDなど自分でお金を外部から持ってくる

教授の研究費で雇ってもらう場合、よほど予算が潤沢なプロジェクトでない限り、300-400万程度の最低賃金で働かされます。
科研費は基盤Bで年間400万円、基盤Aで年間1000万円、基盤Sで年間1億円(最大支給額/5年間で計算)です。基盤Bでポスドク雇うことは難しいですね。基盤Aで1人雇えるかな。。。?基盤Sであれば雇えますね。
最近動いた大きなお金では内閣府のムーンショットプロジェクトがあります。このような大きなプロジェクトでは大体ポスドクが公募に出ます。JREC-INで調べると大体30万円/月くらいでしょうか。

エラー: JREC-IN Portal
エラー: JREC-IN Portal

ただ実際にはポスドクや研究員の肩書をもらっているけど、事実上給料をもらっていない無給ポスドクという存在もあるらしいので、お金が出るだけマシと考えるべきかも分かりませんね。

非常勤講師と無給ポスドクって? 研究業界を死滅させる雇い止め問題への対策 | ちらラボ
こんにちは。ちらです。 今日ツイッターで非常勤講師雇い止め問題のニュースが出ていました。 「東京大学が非常勤職員8000人大半の雇い止めを強行か」   こういうニュースを見るたびに日本という国は 本当に研究者や学者をないがしろにす

次は王道の学振PDです。高い競争率を突破したひと掴みのエリートポスドクです。

しかし36万円/月(約430万円/年)という、ちょうど日本全体の平均給与です。しかも社会保険はないので、自分で国保や年金を払いに行く必要があるので、手取りはもっと少ないです。学振の財源は国民皆様の血税で賄われているのであまり贅沢は言えませんが、専門性への対価がもうちょい評価されていいのではないかと。。
ただ学振PDのメリットは、プロジェクトのお金で雇われているわけではないので、自分の好きな研究ができるということです。助教とも違うので教務のデューティーもないので今後の研究方針を模索する上では、制約なくできるので非常に有意義な時間になるのではないでしょうか。

学振PDの実態については計算化学.comさんが実体験をまとめてくれています。

学振 PD の待遇は、特任助教以下?! | 計算化学ポータルサイト | 計算化学.com
特任助教と学振 PD ってどっちが優秀なの?や給料、社会保障、待遇について、多くの人が疑問に思っていることに答えてみました。

賞金を稼ぐ

私がお勧めしたいのがこれです!あまり知られていないかもしれませんが、博士論文の成果で賞金を貰うことができます。若手を対象にこれまでの研究成果を表彰してくれる機会が結構あります。若手の研究者が少なくなっている今だからこそ、狙い目かもしれません。
こういう受賞経験は履歴書の見栄えを良くするためにも、研究費申請書の執筆練習のためにも、積極的に応募することをお勧めします。賞金も貰えますし!

研究分野によって出せるもの・出せないものがありますが、いくつかご紹介させて頂きます。

フジサンケイビジネスアイ

独創性を拓く 先端技術大賞

「社会人部門」と「学生部門」があります。分野は「エレクトロニクス・情報」「バイオサイエンス・バイオテクノロジー」「材料」「化学・ノンセクション」など、どなたでも応募できる門戸の広さ。過去の受賞者の論文も公開されているので、参考にしながら書くことができます。応募論文は大体シングルコラムで10ページくらいですので、負担もそこまでありません。社会人部門は40歳以下が対象なので、幅広く出せると思います。
大賞:50万円、副:30万円、特別賞:15万円
締め切りは例年3月末です。

井上科学振興財団

顕彰・研究助成事業 | 井上科学振興財団

理学、医学、薬学、工学、農学等の分野で過去3年の間に博士の学位を取得した37歳未満の
研究者で、優れた博士論文を提出した若手研究者に対して送られる奨励賞です。こちらも門戸は広いです。毎年4~9月に全国の関係大学長に候補者の推薦を依頼して選考を行い、12月に40件を決定するという流れです。なので博士課程の時に在籍していた研究室の教授との関係性が良好であることが求められます(笑)副賞は50万円が贈呈されます。

安藤研究所

一般財団法人 安藤研究所

大学の若手研究者 (大学院生を含む) 等のうち、エレクトロニクスおよびこれに関連する科学技術において、独創的・萌芽的な研究活動を行っている者に対し学術奨励賞が贈呈されます。エレクトロニクスに関係する研究でないとダメですが、医療分野の受賞者も結構いたりします。うまくエレクトロニクスと絡められれば大丈夫そうです。賞金は50万円、毎年5件程度です。

船井情報科学財団

公益財団法人船井情報科学振興財団(FFIT)
公益財団法人船井情報科学振興財団は若手研究者への褒賞事業及び留学を目指す優秀な学生への奨学事業によって、広く世界に貢献します。

情報科学、情報技術分野を中心に広く理工系分野において、顕著な研究業績のあった若手研究者に褒賞を授与する事業です。「船井学術賞」と「船井研究奨励賞」の2つがあり、国内の大学あるいは公的研究機関に所属する研究者(民間企業に在籍している人は除く)で39歳以下は「船井学術賞」、博士号取得後5年以内(応募時)の人は「船井研究奨励賞」になります。
例年、「船井学術賞」は6件で賞金150万円、「船井研究奨励賞」は12件で50万円になります。求められる研究の概要は3~4枚程度で採択件数も多いので情報関連の研究者は狙い目ではないでしょうか。

私自身が出せるところという視点で情報を集めたので、他にも褒賞事業はあるかと思います。こういう褒賞事業があるということを知らない方も多いと思いますので、意外と競争率は高くないかもしれないので積極的に応募してみてはいかがでしょうか?折角頑張って創り上げた研究成果をお金として還元できるチャンスです!

海外に行く

続いては日本でポスドクをやらないという選択肢です。ポスドク(というか博士卒)の待遇の良さは海外の方が圧倒的に良いです。とはいえ、海外就職はハードルが高いなあと思う方もたくさんいらっしゃるかと思います。

しかし日本人のポスドクは世界中で需要があります。もちろん分野にもよりますが。

私自身、アメリカでポスドクをしておりました。その際に教員・ポスドクの採用係るお手伝いもさせて頂きました。そこで感じたのは、ポスドクの応募は中国人・インド人が圧倒的だということです。日本人の応募は全然ありません。
しかし一方で、日本人の勤勉さは欧米で有名です。ちゃんとラボの教授の言うことを聞きますし、休日出勤して勝手に仕事します(笑)同じお金を払うなら日本人がいいというのは道理が通ります。一方で日本人はもっと手を抜いていいとも言われますが(笑)
この辺のことはまた別の記事で詳しく書きたいと思います!

アメリカの場合、ポスドクの最低限の給与規定が国(National Institute of Health; NIH)によって定められています。

Salary Cap, Stipends, & Training Funds
Consult the latest NIAID salary cap and stipend levels when you prepare your grant application or contract proposal budget.

ポスドク1年目でも$53,760/year(約600万円/年)貰えます。いくらもらえるかは教授のお財布事情にもよりますが、私はありがたいことにポスドク1年目にもかかわらず、上記の額に上乗せしてもらいました。アメリカと日本で物価の違いはあれど、月収30万(日本)と50万(アメリカ)ほどの差はないと思います。
給与も高いし、海外就職したという実績が残るので就活にも有利になりますし、ポスドクの間に海外に行くというのは一つの選択肢ではないでしょうか。

海外の教授に雇ってもらうということにハードルを感じるのであれば、自分でお金をとって海外に行くという選択肢もあります。

王道は海外学振ですね。
私も海外ポスドク2年目の時に海外学振に当たったので、教授の研究費から海外学振へと切り替えました。海外学振も635万円/年もらえるのでとてもリッチです。今はコロナがあるので海外に行くことはリスクに感じるかもしれませんが、逆に今なら競争率が高くない可能性があります。海外学振の書き方に関しては今度記事にしたいと思います。海外学振以外にもフェローシップや海外滞在費の補助をしてくれる財団はたくさんありますので合わせて今度記事にしたいと思います。

講演をする

これは若手研究者だとなかなかハードルが高いかもしませんが、講演料をもらって研究に関することを市民に発信します。世間的にバズった研究をやっていれば勝手にマスコミの方から連絡がくるかもしれませんが、ここではもう少し小規模な講演です。自分や周りの若手研究者が実践できたケースは以下の通りです。

  • 母校の高校や塾で大学や大学院生活に関する講演
  • 母校の大学主催のワークショップで研究紹介・キャリア相談
  • 企業の技術相談
  • TV取材(トレンドたまごなど)

これらに関してはご自身の人脈や研究テーマに依存しますし、こういった講演は知り合い経由で頼まれることが多いです。講演料は無料〜数十万など、対象となる講演の規模によって変わります。やはり企業主催の講演会や技術コンサルは高い金額で依頼して貰えます。ただ研究者個人のプレゼンスを高めるためにはこういったアウトリーチ活動はとても重要ですので、まずはお金貰えたらラッキーくらいの感覚で引き受けた方がいいかと思います。プレゼンスが高まってきたらマスコミや企業からの声もかかってくるようになります。
そういう意味では研究者はもっとYouTubeとかSNSを駆使して発信していく必要があるかもしれませんね。

以上、若手研究者が少しでも自身の能力を活かしてお金を稼ぐ方法の紹介でした。私自身ももっとお金を稼がなきゃいけないので頑張ります。この記事を見ていただいた皆様が少しでもお金が稼げますように。Good Luck!

コメント

  1. […] 副業以外でアカデミア研究者がお金を稼ぐ方法アカデミア研究者の頭を抱える悩みの一つ、それはお金です。本記事はアカデミアで生きる研究者が給料以外の方法でどうやってお金を稼 […]

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