大学院生・若手研究者の悩みを軽くするTIPS

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研究生活に悩みはつきものです。これまで同僚や後輩、先輩研究者を見てきて、残念ながら心の健康を崩してしまう人が少なくありませんでした。

大学院生には大学院生の、ポスドクにはポスドクの、テニュアにはテニュアの悩みがあります。

研究活動は非常に属人的な仕事で、また研究室という小さいコミュニティにおいてやるので、ひとりひとりにかかる負担が大きくなりがちです。

だから、責任感が強い人ほど、研究がうまくいかない時や人間関係に悩む時に一人で抱え込んでしまってつらい思いをすることになります。

そうならないために、今のところ研究生活で生き残り続けている研究者として、大学院生・若手研究者の視点から研究生活で心を平穏に保つマインドセットを紹介させていただきます。

大学院生・若手研究者の悩み

研究室に行きたくない

大学院生なら誰しもが一度は感じたことがあることではないでしょうか。

今は研究者として生計を立てることができておりますが、大学院生の時はしょっちゅう思っておりました。

これは研究室に行くことを躊躇する理由があるからですよね。

そして心の健康を害すのは往々にして「教授とのコミュニケーション」が主な理由です。

教授はどうしても一回り二回り人生の大先輩なので、コミュニケーションをとるには一定の気苦労が生じます。

特にゼミ等の研究に係る議論の場になると、(悪気はなくとも)ご自身の知識・経験を全動員して、まくしたてるようにお話になるので、まだ知識の浅い学生としては話についていくだけで精一杯ですし、「君はどう考えるのかね!?」とか聞かれても気が動転してアワアワしてちゃんと議論にならないことはよくあります。特にコミュニケーションが不得手の学生さんは。

  • 話の論理が通ってないよ?自分でも納得してるの?
  • 〇〇さんがやっている研究知ってる?それと何が違うの?ちゃんと調べた?
  • スライドが見にくいなぁ。何を伝えたいのかわからないよ。
  • 言っている意味がよくわからない。素人にもわかるように丁寧に説明して。
  • 謝って欲しいんじゃないんだよ、説明して欲しいんだよ。

字面だけ見ると圧迫面接のような感じですね(笑)

ただ当然ながら教授は理不尽に怒っているわけではなく、研究者になるために必要なノウハウを教えようとしているです。自力で考え正解にたどり着くことができるように訓練しているのです。

しかしそれは教授側の思いであって、受け取る側は言い方が少しキツかったりするだけで一部の人にとっては大きなストレスに感じてしまうんですよね。

思うように研究成果が出ない

卒修論の締め切り間近、または博士論文審査に進むために必要な研究成果が芳しくないとき、とても大きなストレスがかかると思います。

研究は難しいからこそ楽しいという部分もありますが、研究が進まない時期が続き、締め切りが見えて来ると、「このままでは卒業できないのではないか」という思いが頭をよぎってしまいます。

特に研究室というコミュニティだと、比較対象が非常に限られており、「同期と比べて自分は。。。」という狭い視野で自分を否定してしまいがちです。

焦りや不安があると、次に取るべきステップが見えなくなったり、近道や逃げる姿勢を取ってしまい、結果的に失敗を招いてしまうことになり、負の連鎖になってしまいます。

進捗が芳しくない学生に対しては、教授がああしてみてはどうかこうしてみてはどうかと色々とアドバイスしてくるケースが多いですが、何でもかんでも鵜呑みにして実行することは得策ではありません。

なぜなら教授よりその学生の方がその研究課題に費やしている時間は長く精通しているため、必ずしも教授のアドバイスの全てが有用であるとは限りません。

しっかりと情報の取捨選択をしなければいけませんが、追い込まれているとまともな判断ができないことが多いです。

「焦り」は時には生産性を飛躍的に高めますが、一旦負の方向に働き始めるととても厄介です。

キャリアの先行きの不透明さ・不安定さ

これは博士課程の学生やポスドク等の任期付き研究員に限った話ですが、「この研究成果の延長に自分のキャリアはあるのか」という不安です。

博士やポスドクだと、研究活動へのモチベーション自体はある程度確立されていると思います。

自分の探求したい研究テーマがあり、日々業績を出すことに悪戦苦闘していると思います。

ただ日々の研究活動とは別に、その先のキャリアをどうするかを常に考えなければなりません。

  • 「アカデミアに行くか、企業に行くか」
  • 「同じ分野を続けるか、全く違うことを始めるか」
  • 「日本にいるのか、海外に出るのか」
  • 「結婚するなら・子供を作るならいつなのか」

自身の思い描くライフプランと現実のせめぎ合いに悶々とする時期が20代後半から30代前半にかけてくるのではないでしょうか。

  • 「研究成果はあるのに望むポストの公募が全然出てこない」
  • 「本来やりたいことと現在やらなきゃいけないことにギャップがある」
  • 「家族のことを考えてキャリアを妥協しなければならない」

など、アカデミアに身を置いているとどうしようもない現実の理不尽さに直面し辟易することが往々にしてあると思います。

研究生活においてお勧めするマインドセット

「常に最悪のケースを想定して予防線を張るということを意識してました。

例えば博士課程の学生にとって最悪なケースとはなんでしょうか。

研究が全て失敗に終わり、論文も書けず、卒業もできず、大学院生活が終わってしまうということでしょうか。

ただ研究が失敗に終わって大学院生活を修了せずに終えることになったとしても、

「死ぬ訳じゃないし、他の仕事を探せば何かは見つかるだろう」

という、自分の中で失敗しても大丈夫だという予防線を張って生きてました。今もこのマインドで生きてます。

自分は特段研究者に向いていると思ってませんし、何か突出した才覚を持っているという自負もありません。

仮に今の仕事が急に解雇されたとしても、超高齢者社会で働き手世代の割合が減少の一途を辿っている世の中ですから、どっかしら雇ってくれるだろうと楽観的に生きてます(笑)

このようなマインドセットで生きると、どこかしらに心の余裕が生まれます。

「教授に何か言われる」「実験が思うように進まない」「この先のキャリアは大丈夫か」など色々悩みは尽きないと思いますが、「いざとなったら他の道を探せば良い」という予防線が自分の中にあることはヘルシーに生きる秘訣かなと思います。

ただこの場合、卒業できずに大学院生活を終えてしまったことを、家族や友達に伝えないといけないことは非常にストレスフルかもしれません。

ご自身のプライドは傷つけられることかと思いますが、他人はあまり気にしてません。

逆の立場になって考えてみた時に、友達が大学院途中で辞めて企業に就職するという選択をとったという報告をされた時に、どう思われますでしょうか。

「行き先があってよかった」とか、「辛い状況から脱出できてよかった」とか、その方の身を案じるのが普通だと思います。「情けない」とか「根性がない」とか時代錯誤なことを言ってくる人はそもそも友人じゃないので関係を絶てば良いと思います。

要は「自分が自分を許せない」ということが一番厄介です。

ただ「何よりも大事なのはご自身の健康」だということを忘れないで欲しいです。

人生100年時代と言われている昨今、20代の失敗なんて巻き返すチャンスはいくらでもあると思います。

ご自身に対して少しくらい甘くしてあげてください。

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悩みを軽くするためにやっていること

悩み解消やストレス発散の最適な方法は人それぞれだと思いますが、自分は外的な刺激を入れることを意識してます。

特にアカデミア以外の分野で熱量を持って頑張ってる友人・知人に会って話を聞くのは大変励みになりました。

どうしても研究のコミュニティは狭いので視野が狭くなりがちですので、違う空気を吸うのは大事なんじゃなかと思います。

博士課程の時は違う分野の意識高い異性と会うために、Pairs(マッチングアプリ)を使って交流の幅を広げることもしてました(笑)

意外と普段会うことのないよなコンサル・商社・広告代理店などのハイスペな方とお会いできました(笑)

後は自分はエンジニアなので、エンジニアの偉人の半生を描いた映画は大変刺激になります。

王道ですが、下記の2作品は購入して擦るほど見ました。

スティーブジョブズ

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ソーシャルネットワーク

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ちょっと毛色は違いますが、マクドナルドの始まりを描いたファウンダーも面白いです。

ファウンダー ハンバーガー帝国の秘密

Bitly

その他にも漫画も結構読むのですが、下記の記事にまとめているのでよかったらご覧ください!

もし研究に関するお悩みがあって話し相手が欲しい場合には下記のリンクをご覧頂けますと幸いです。

研究活動におけるお悩み相談にのります 海外経験あり大手研究所勤務の研究者が多角的な視点でアドバイス | 論文・レポートのサポート | ココナラ
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